ねぎ 白ネギ、青ネギ、どっちが正統派?

「ねぎ」って言えば、関東の人は白ネギを、 関西の人は青ネギを、連想します。

なぜか? 食文化の違いだけではなさそうです。

「ねぎ」は中国では紀元前より記述が見られるように、古くからある作物で、華北・東北地方中心に土寄せする白身の長い太いネギが発達し、華中・華南地方では葉を主として食す葉ネギが発達しました。

日本も同様、白ネギ・青ネギの発達した違いは ネギの品種と栽培する気候と土質によるところが大きく起因します。いわゆる白ネギ(根深ネギ)は、寒さに強い品種で 土寄せがし易い 砂質の関東地方・東日本に適していたと言え、一方 青ネギ(葉ネギ)は、暑さに強い品種で 粘質の土地であるがゆえに土寄せがし辛い関西地方・西日本で発達したと言えます。

今では、料理に合わせ関東・関西ともに白ネギ、青ネギを使い分けます。

鍋料理には、加熱するほど、甘みが増す白ネギが最適ですね。

それでも関東では蕎麦には白ネギを、関西では饂飩に青ネギを年中入れるのは変わりないようです。

輸入の中国産白ネギが最も注目されたのは、1998年台風被害が大きく、全ての野菜が高騰した年であったと記憶します。

1社のスーパーマーケットチェーンが先行して中国より白ネギを輸入販売し大成功します。後追いで、山東省に白ネギがあると聞くと多くの貿易商社が大量に輸入します、しかし結果は後追いの商社は、ことごとく失敗。

何故か? 後追いの商社が輸入した白ネギは、見た目は同じ白身の長いネギでしたが中国の在来品種であったため、白身が柔らかく、ブヨブヨで、持つと白身のところが曲がってしまうものでした。中国で食べていた在来品種の白ネギをそのまま輸入したからです。

先行のスーパーマーケットチェーンは、その以前より日本品種を導入していたので大成功!

それでも、翌年から中国では多くの畑で日本品種を栽培し、年々 日本品種の栽培面積は増えていきます。今では輸入の中国産白ネギは全て日本品種です。輸入野菜が日本の一般家庭へも浸透していった分岐点になったのは、あの年であったと思います。

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